コーピングスキルという言葉を聞いたことがありますか?
コープ(cope)は英語で「うまく対処する」「切り抜ける」という意味で、正しくはストレスコーピングスキル(stress coping skill)。ストレスにうまく対処する方法のことです。
私たちが生きている限り、ストレスは絶対に避けられません。誰にだってストレスはあります。
しかし、同じ会社で同じ仕事をしていても、いつもしんどそうで暗い顔の人がいる一方、前向きで他人にまで気を配る余裕のある人だっています。
それはきっとその人が、ちゃんとストレスコーピングを身につけていて、実践できているからなんだと思います。
もちろん、もともとストレスに強い人はいます。遺伝子で決められている部分もあるし、育つ環境でそうなった方もいます。しかし、ストレスへの対処方法で、感じる心の負担の重さはだいぶ違ってきます。
今日は、コーピングについてまとめました!
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コーピングには2種類ある!
問題焦点型コーピング《Problem Focused》
問題焦点型コーピングは、問題(ストレスの原因そのもの)を取り除くこと、軽減させることに焦点を当てています。
例えば、私自身の経験から話を出します!
斜め向かいの机で仕事をしている同僚が、毎日くちゃくちゃ爪を噛んでいたことが、以前とてもストレスでした。
別に迷惑かけてないんだからいいじゃん、と思うかもしれませんが、席のレイアウト上常に目に入る位置にいて、どうしても目がいってしまうのです。まず音がするし、シャツで毎回指をぬぐっているし、その指で書類を触っているし、そもそも血が出てるし!と、けっこうなストレスだったのです。
しかし私は新米の時期、「爪噛まないでください!!」とは言えず・・。
そこで、ダイソーで売っている本立てを買い机に置いて大きな本をさし、同僚が目に入らない位置に置いて、目隠し代わりに使いました。
また、上司に相談しました。「爪の音がいやで」とは言えなかったので、「英語の学習をしたいので片耳だけイヤホンで英語聞いててもいいですか?」と相談し、オッケーをもらったので、片耳イヤホンで仕事をしていました。
その2点を行ったことで、だいぶ気にならなくなりました。
大人げないのではと思うかもしれませんが、ちゃんと集中して働くためにも必要な処置だったと思います。
逆に、あのイライラを溜めていたら、その同僚も職場もストレスで嫌いになってしまっていたのでは、と思います。最悪それが原因で辞めていたかもしれません。
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情動焦点型コーピング《Emotion Focused》
しかし、全てのストレスが取り除けるわけではありません!
例えば大学の卒業論文がどんなに大変で面倒くさくても、それを放ったらかすということはできません。好きなアイドルが引退してしまったら心にショックを受けますが、でも現実を受け取める以外に方法はありません。
仕事も学校もバイトも、辞めたり転校したりすることが現実的に難しいことも多々あります。
そういう時はストレスと折り合いをつけながら、なんとかやっていくしかありません。
そこで役立つのが、情動焦点型コーピングです。これは問題を取り除くのではなく、問題から発生した感情を楽にすることが目的です。
ストレスを感じた時、私たちの中には心配や不安、憂鬱やイライラなどの感情が生まれています。そしてその感情を心に溜め続けないため、定期的に発散し軽減する必要があるのです。
このコーピングには、効果的な方法とそうでない方法があります。
アメリカの心理学者ケニー・マクゴニガルさんの著書「スタンフォードの自分を変える授業」の中で、米国心理学会が本当に効果があると証明したストレス解消法(気晴らし、リラクゼーション方法)として、次のものをあげています。
エクササイズやスポーツをする 礼拝に参加する 読書や音楽を楽しむ 家族や友達と過ごす マッサージを受ける 外に出て散歩する 瞑想やヨガをあげる クリエイティブな趣味の時間を過ごす |
これらが効果的なのは、セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内科学物質や、セロトニンなどの気分を良くするホルモンを活性化させるからです。
逆に、ドーパミンが出る影響で一瞬の快楽にはなるものの、結局気分はすぐに元に戻ってしまう、そして長期的には自分にさらなる悪影響を及ぼしてしまうという、効果的でない解消法が以下になります。
ギャンブル タバコ、お酒 やけ食い テレビゲーム インターネット テレビや映画を2時間以上見る |
また、その物事への見方を変える、というのも情動焦点型コーピングのひとつになります。
例えば、転職活動で不採用になったとします。そういうとき私たちは、存在自体を否定された気になり、傷つき、落ち込んだり腹が立ってきたりしてしまいます。
しかし、最近ツイッターでこんな天才的な発想を見かけました。
面接で落とされたことに腹を立てるのは筋違いだと思う。歴戦のプロ人事が「うちには合わないな」って落としてくれたんだから、合格しても全く活躍もできず楽しくもない仕事させられ続ける可能性高いので、むしろ落としてくれてありがとうって言えるくらいの心の余裕は必要だと思う。
— 藍川陸里 (@imaginary_organ) 2017年3月22日
たしかに!!と思いました。
あるいは逆に、責任が重すぎてストレスだという方には、こちらの発想も。
昔は「あれは私じゃなきゃダメだ」とめちゃくちゃ体調が悪くても無理に出社したこともあったけど、バラエティに不可欠な存在だった島田紳助が消えても何事もなく回り続けるテレビ業界を見て「自分の代わりはいない」なんてのは過剰な自意識が生んだある種の願望なんだなと気付いて随分気が楽になった。
— 深爪@重版御礼「深爪式」絶賛発売中 (@fukazume_taro) 2017年2月6日
また、こんな強者の声も!
「もしかして嫌われたかな?」とか「これ言って嫌われたらどうしよう?」とかやってるとエネルギーだけ浪費していくから、ここはもう「お!?嫌われたか!??嫌われたとしてもこっちは好きなままだからな!ざまあみろ!とりあえず好きなことしよ!映画見よう!」ぐらいのノリで生きたらコスパがいい😌
— 精霊の守り人おじさん(最終) (@miclk) 2017年1月2日
かなりレベル高いですが、本当にこのくらいの気持ちで生きられたら、たくさんの人が楽になりそうですよね。
こんな風に、同じ出来事でも捉えようによってはネガティブな感情を軽減することができるんです。最初は難しかもしれませんが、家族や友人などに相談し、人の考え方や意見も聞いてみたらいいかもしれませんね!
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まとめ
いかがでしょうか?少しでも参考になったら嬉しいです!
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